【寄稿】いとゆう連載Vol.1|ミスをしないこと

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【寄稿】

この記事は、いとゆう様よりモルハブにお寄せいただいた寄稿原稿をもとに掲載しています。モルハブ編集部は誤字脱字・体裁のみ調整し、内容は寄稿者の視点・表現を尊重しています。

Vol.1のテーマは「ミスをしないこと」。
一見シンプルですが、モルックのルール構造を紐解きながら、たった1回のミスがなぜ勝敗を分けるのかを丁寧に解説します。
「投擲ミス=0点」だけでなく、狙いと違うスキットルを倒してしまうケースや、ミスが心理面に及ぼす連鎖的な影響まで踏み込んだ、戦略を考えるうえでの”土台”となる回です。

目次

ミスをしないこと

いとゆう連載「『モルック学入門』 ~もしモルックが大学の授業になったら~」では、モルックの”戦略”という切り口から、初心者・中級者の方に向けて、考え方やアプローチの基礎をわかりやすく解説していきます。

Vol.1のテーマは「ミスをしないこと」です。

「そんなん当たり前やないの!」、「戦略とちゃうやんけ!」と思った方もおられるかもしれません(笑)
しかし、これからさまざまな戦略を身につけようとする今だからこそ、「ミスをしないこと」の大切さを強調したいのです。

「ミスをしないこと」は、モルックにおける「最も基本的な」かつ「最強の」戦略と言っても過言ではありません!

ではなぜ、「ミスをしないこと」が重要なのでしょうか。モルックのルールをおさらいしながら、一緒にじっくり考えてみましょう。

たった1回のミスが命取り!

モルックのルール① — 50点ちょうどでセット終了

モルックは、どのチームが「最初に」50点ぴったりを取ることができるかを競うゲームです(モルックのルール①)。この「最初に」というのがミソでして・・・

Aさんが先に50点到達 — Bさんの番は回ってこない

たとえば、こんな試合展開を仮定してみましょう。4ターン目を終えて、39対39の同点です(いい試合ですね~)。
5ターン目、Aさんが11点を取りました。
ピピーッ!!この時点で試合終了です。Aさんが「最初に」50点を取ったので、この勝負、Aさんの勝ちとなります。Bさんは同じ39点でしたが、もう投げることはできません(涙)

では、投擲ミス(公式ルールガイドブックによれば、「点数として数えられる投擲がない場合」)があるとどうなってしまうでしょうか。

ミスで勝敗逆転 — Aさんミスの結果Bさんが勝利

5ターン目、Aさんが狙いを外してしまいました。得点は39点のまま。続いてBさんに投げ順が回ってきます。
Bさん、見事11点をゲット!Bさんが「最初に」50点に到達したため、この勝負、Bさんの勝ちとなります。

なんと、たった1回の投擲ミスで、勝者と敗者が入れ替わってしまいました。
モルックとは、そういうスポーツなのです。

モルックの試合で、接戦の末に惜しくも負けてしまうこと、数え切れないほどあると思います。
もしお持ちであれば、その試合のスコアシートを振り返ってみましょう。
試しに、自分のチームと相手のチームの投擲ミスの回数を数えてみてください(それはそれは苦痛な時間でしょうが・・・)。
だいたい、1個差で自分たちの方が多く投擲ミスをしています。
そう、「あそこでミスしてなければ・・・」ってやつです(笑)

繰り返しますが、モルックでは、たった1回の投擲ミスが勝敗に直結してしまうのです。

「見えないディスアドバンテージ」

一見したところ、1回の投擲ミスは、相手チームに対し「1ターン分」の後れになるように思われます。しかし、実際はそうならないことも多いのです。
そこには、モルックの「あのルール」が関係しています。

モルックのルール② — 3回連続投擲ミスで失格

モルックでは、3回連続で投擲ミスをすると即、失格になってしまいます(モルックのルール②)。
このルールがあることにより、投擲ミスをした次の投擲は、これ以上ミスをしないように、比較的安全な選択をすることが多くなります。

いま自分のチームが2投連続で0点になっているとしましょう。次、投擲ミスをすれば即、失格です。
このような状況で、リスクを冒して、遠くにある高得点のスキットルを狙いにいくことは考えにくいです。多くの場合では、手前に固まっているスキットルを複数本、無難に狙うことになるでしょう(もちろん例外的なケースもあります)。
このとき、自分たちは投擲ミスになってしまった分の得点だけでなく、その後の投擲で本来取れたはずの得点も逃してしまうことになります。

順調(ノーミス5ターンあがり)と不調(1ミス7ターンあがり)の比較

これも具体例で考えてみましょう。

かたや、順調なAさん。3ターン目、遠距離にある7点をしっかりゲットします。現在26点。12点のスキットルは難しい位置にありますが、ノーミスなのでチャレンジします。そして、見事成功!・・・結果、5ターンであがることができました。

かたや、不調なAさん。3ターン目、遠距離にある7点を狙いましたが外れてしまいました。4ターン目、ここでまた0点になってしまうとまずいと考えたAさんは、手前のガシャを選択します。結果、5本倒れ、24点に。その後は順調に得点を重ね、7ターン目にようやくあがり。結局、順調なときよりも2ターン多くかかってしまいました。

このように、投擲ミスが重なると、そのあとの投擲の内容が変わってきます。
すると場合によっては、あがりまでのターン数が、0点になったターンの数以上に多く余計にかかってしまうことがあるのです。

「投擲ミス」だけが「ミス」じゃない!

ここまでは、「スキットルに当たらず0点になる投擲」があったときのことを考えてきました。
しかし、勘のいい皆さんは、ミスはミスでもこれ以外のケースを思いついていることでしょう。

いろいろなミス — 狙いと違うスキットルが倒れる・周りを巻き込むケース

そうですね、狙いのスキットルと違うスキットルに当たってしまうケースや、あるいは狙いのスキットルの周りのスキットルを巻き込んでしまうケースが考えられます。

いずれのケースも0点ではないので、それによって単純に1ターン分の後れをとるというわけではありません。また、失格の要件となる「投擲ミスの累積」にも当てはまりません。
しかし、それによってあがりまでのターン数が増えてしまうことはよくあります。このような「ミス」もできるだけ減らしたいものです。

心理面への影響

また、ミスはプレーヤーの心理面に大きな影響を与えます。

ミスをしてしまったチームのプレーヤーは、「これ以上ミスをしてはならない」、「ミスを挽回しないと」などと考えるようになり、その気持ちは投擲に影響を及ぼします。

逆に、ミスが少ないことは、相手チームにとって大きなプレッシャーになります。それは、相手チームに「向こうはミスが少ないから、先にこちらがミスをすることは許されない」などと思わせることになるからです。

この連載ではこれ以上深入りしませんが、1つのミスが負の連鎖を生み出してしまうことがあるということも、頭の片隅に留めておくとよいかもしれません。

まとめ

まとめ — できる限り「ミスをしないこと」

「ミスをしないこと」がいかに大切か、実感していただけましたでしょうか。

これからいろいろな戦略を紹介していきますが、どれだけ緻密な戦略を立てたとしても、ミスばかりしていては、その戦略を実行することはできません。
その意味で、「ミスをしないこと」は、モルックにおける「最も基本的な」かつ「最強の」戦略なのです。

この記事について
  • 本記事は いとゆう 様からの寄稿です。
  • モルハブ編集部は 誤字脱字・体裁 のみ調整しています。
  • 記載内容(企画の意図・表現・見解)は寄稿者に帰属します。

著者カード

いとゆう
寄稿者
いとゆう
文学系モルッカー

東京都出身、京都府在住の大学生。モルックサークルAnkka第3代会長。第1回Ankkaぶぶ漬け杯主催。鹿児島での日本大会からモルックにのめり込む。趣味は旅行。教員志望。倫理学専修。春から大学院に進学予定。

  • 活動拠点鴨川河川敷(京都府)
  • チームAnkka(アンカ)
  • 主な実績2024モルック世界大会in函館 下位T🥈
  • 好きな名言頭の隅にガシャあがり

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この記事を書いた人

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